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第97話 お互いの覚悟

مؤلف: 青砥尭杜
last update آخر تحديث: 2026-01-09 23:11:17

「えっ……」

 目を丸くするストーリアに、カイトがあたふたする自分を隠さずに声を掛ける。

「驚くよね、そりゃ。ほんとに急で、ごめん」

「はい……そうですね。驚いてしまいました」

「だよね……」

 カイトは続ける言葉を探した。

 帰国する船上で幾度となく言葉を組み立てていたつもりだったが、実際に初めてのプロポーズとなるとシミュレーションした通りには言葉を続けることが出来なかった。

 カイトの動揺を察して、先に口を開いたのはストーリアだった。

「わたしで、よろしいんですね?」

 カイトは強く大きな首肯を返すと、今回の遠征の間に考えていたことをストーリアへ率直に伝えようと決めた。

「俺には何があっても帰らなきゃいけない場所が必要なんだって……思ったんだ。それが無いと俺は、いざって時に自分が背負ってる重責とか立場から逃げるっていう選択肢を、頭の片隅にキープし続けちゃうんだろうなって……。ストーリアと築く家庭を、俺の還るべき場所にさせて欲しい……身勝手な申し出なのは分かってる。でも今の俺には、ストーリア以外は考えられなかった」

 カイトの飾らない本心から出る言葉を、まっすぐな目で受け留めていたストーリアは一度ゆっくりとまばたきしてから答えた。

「わたしは離れませんよ? それでも、よろしいんですか?」

「うん、もちろん。俺も離れる気はないよ」

「……分かりました。カイト様の還る場所は、わたしがつくります」

 快諾の返答を聞いて全身の緊張が一気に解けたカイトを、まっすぐに見つめたストーリアは、

「ただし、一つだけ条件があります」

 と真剣な表情で言葉を続けた。

「条件……なにかな?」

 肩をふたたび強張らせるカイトに向けて、ストーリアは真剣な眼差しのまま条件を告げた。

「もし、わたしの身に何かあっても、自分と結婚したせいだと御自身を責めないでください。それが条件です」

 ストーリアが口にした条件が、思いもしなかったものだったことにカイトは驚きを隠せなかった。

「……ごめん。俺と結婚することで、ストーリアの身に危険が及ぶって可能性を、俺は深く考えられてなかった……」

 自身の浅慮を詫びるカイトに向けて、ストーリアは微笑みかけた。

「万が一、もしもの話です。カイト様はこの国の英雄であり、世界の英雄となられる存在。英雄たる方の妻が何も負うものが無いなんてことはあり得ません。ただ、わた
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